2016年に、日本で初めて世界最小のシカ「プーズー」が一般公開され、2017年2月には、赤ちゃんが誕生。
聞いたことのない動物ですが、その小ささが珍しく、日本中で注目を集めています。
私も気になったので、プーズーについて調べたことと、実際に見に行ってきた様子をご紹介します。
世界一小さなシカ「プーズー」とは?
シカの仲間は224種類も生息していますが、その中で、もっとも小型のシカが「プーズー」です。
プーズーの生態
生息地 | チリやアルゼンチン |
体長 | 80cm |
体高 | 30~40cm |
体重 | 9~10kg |
科 | シカ科 |
「プーズー」は、チリやアルゼンチンなどの一部の地域にしか生息しない準絶滅危惧種のシカ。バルディヴィア森林と呼ばれる温帯湿潤林と、チロエ島などの海岸付近に住んでいます。
名前の由来は、プーズーの生息地域の先住民族であるマプチェ族の言葉で「小さいシカ」という意味。
竹林や下草のある森を好み、食べ物は木の枝や果実など。角が生えているのがオス、生えていないのがメスです。
天敵はピューマやダーウィンギツネ。警戒心が非常に強い動物です。
成人しても中型犬くらいの大きさ
プーズーは、成人でも体長80cmほどなので、中型犬くらいの大きさです。
動物園でよく見かけるシカの体長が150~180cmなので、ひと回り以上小さいことが分かります。実際に見に行ってみると、成人した柴犬よりも小さく感じました。
シカの象徴ともいえる角も短いため、さらに小さく見えますね。角は約8cmなので、耳と同じくらいの長さしかありません。
体重が軽いことも特徴で、身軽に軽快に動きます。
準絶滅危惧種の指定動物
プーズーは、森林伐採や乱獲により生息数が激減し、準絶滅危惧種に指定されました。
2017年現在、野生のプーズーの生息数は推定1万頭です。
準絶滅危惧種とは、「すぐに絶滅する危険性は小さいが、将来的に絶滅する危険性があると判断された種」を指します。
日本では、ニホンリスやムササビなどが準絶滅危惧種に指定されています。
プーズーが見られる動物園は?
埼玉県東松山にある動物園だけ
日本でプーズーが見られるのは、埼玉県東松山市にある「こども動物自然公園」だけ。チリのサンティアゴ・メトロポリタン公園から寄贈され、2016年6月17日に日本の成田空港に到着。
プーズーは警戒心が強くストレスを感じやすい動物であるため、一般公開までの半年間、環境に慣れさせたようです。
初公開のプーズーはこの4頭
2016年12月4日にこども動物自然公園で一般公開されたプーズーは、オス2頭、メス2頭の計4頭。プーズーの名前は、「サイ」「リオ」「ピナ」「スミレ」。サイは、動物のサイではなく、埼玉の県名になぞらえたとか。
オス同士はケンカしてしまうため、こども動物自然公園では1頭ずつで飼っています。
こども動物自然公園で冬に公開されたプーズーは灰褐色でしたが、夏になるともう少し明るい毛に生え変わります。
2017年2月に赤ちゃんが誕生!
2017年2月に、日本初のプーズーの赤ちゃんが誕生しました。名前は「ラピス」に決定。3月にこども動物自然公園で初公開されました。
「ラピス」は、プーズーが野生下で暮らす、南米のチリで採れる宝石「ラピスラズリ」が名前の由来です。最近は親仔が放飼場で過ごす時間が増え、 元気に動きまわることが多くなってきました。
現在も、順調に成長しているようです。
プーズーの動物園の歴史
プーズーが動物園で展示されたのは、1866年にロンドン動物園、1896年にはベルリン動物園という記録があります。
2016年には、欧米の動物園に約130頭が飼育されています。
日本にプーズーを寄贈してくれたチリのサンティアゴ・メトロポリタン公園は、2011年にはフンボルトペンギンを、2014年にはレッサーパンダも2頭送ってくれています。
日本の反対側にあるチリですが、プーズーをはじめとした希少動物の保全を通して、友好的な関係を結んでいます。
プーズーを公開中の動物園について
住所 | 埼玉県東松山市岩殿554 |
開園時間 | 9:30~17:00 |
休園日 | 月曜 |
入園料 | 大人510円 小中学生210円 |
埼玉県こども動物自然公園は、埼玉県の東松山市にあります。入場料、めちゃくちゃ安いですね。
プーズーは、ペンギンの展示の近くにいました。
園内では、プーズーと同じシカ科の「ホンシュウジカ」も公開しているため、大きさを比べてみると面白いかもしれません。
アクセスは、バスか車で。バスを利用する場合は、高坂駅から片道大人190円で下車。車なら、「東松山IC」「鶴ヶ島IC」から1kmほど。駐車場はたくさんありました。
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まとめ
世界最小のシカ「プーズー」は、チリやアルゼンチンなどの一部の地域にしか生息しない準絶滅危惧種に指定された動物です。
日本では学術目的ということで、特別に「埼玉県こども動物自然公園」で飼育が認められました。
大変貴重な動物なので、近隣に住んでいる方は、ぜひ見に行ってみてください。
埼玉県こども動物自然公園では、プーズー以外にもさまざまな珍しい動物が見られ、触れ合うこともできます。